言語聴覚研究優秀論文賞
第7回言語聴覚研究優秀論文賞を受賞して
宮﨑 泰広
1
1関西電力病院リハビリテーション部
pp.247-248
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001200098
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このたび,大変栄誉ある言語聴覚研究の優秀論文賞を受賞することができ,本論文の共著者ならびに査読の先生方の丁寧なご指導に感謝を申し上げる.特に本論文は拙著の博士論文を構成する9編の論文の一編であり,博士論文の作成にあたり懇切丁寧に指導して下さった指導教員の種村純教授に今回の受賞で僅かながら恩返しできたのではないかと思っている.さらに今回の受賞は,これまで臨床や研究の現場で指導していただいた諸先生方,症例から得た貴重な経験の賜物であると強く心に感じている.私の最初の恩師からは,研究のイロハを教えていただいた.その中で,「学会発表はあくまでも論文を執筆するために貴重な意見をもらう場である」との言葉がいまでも私の心に残っている.また,臨床現場で多くの指導をしていただいたリハビリテーション科の部長は,「学会発表までに論文の執筆ができるぐらい準備をすること,エゴイスティックな研究にならないこと」が口癖で,研究に取り掛かる際に思い出される言葉である.さらには,臨床2年目に出会った頭部外傷後に超皮質性失語症を呈した方の「いま一生懸命取り組んでいる結果は5年後に出る」という言葉が印象深い.この言葉から,継続する重要性を教えていただき,今日までの研究のモチベーションの礎となった.
これまで私の発表や論文などの研究分野は一貫性に欠けているが,それは日々の臨床で得られた疑問や知見が研究のスタートとなっているからである.そのときの疑問から先行研究を調べ,諸先生方や後輩に助言を求める.すると先行研究からある程度の知見が得られるが,また新たな疑問が浮かび,それをさらに自分なりの視点で分析し検証することとなる.
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