リポート「現場,最前線」
Nutrition Support Team(NST)における言語聴覚士の活動―急性期病院での経験から
柴本 勇
1
1聖隷浜松病院リハビリテーション部
pp.56-59
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.6001100108
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1.はじめに
栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:以下NST)は,栄養管理を症例ごとに適切に実施するため職種を越えて活動するチームである.欧米では,1960年代に中心静脈栄養(Total Parenteral Nutrition:TPN)の開発とともに医師・看護師・薬剤師・栄養士からなるチームにて栄養補給について検討されたことからスタートした.その後,さらに他の医療関連職種に普及し,現在では術後患者や低栄養患者に対しての栄養管理をチームで実践している.わが国では,長年管理栄養士を中心に栄養ケアマネージメントとして栄養管理が実践されてきたが,1990年代後半からチームによる栄養管理の重要性が叫ばれ,持ち寄りパーティー方式(Potluck Party Method:PPM)のNST運営システムが考案された.その後NSTによる栄養管理の効果が報告されるにつれ,全国の医療施設でNSTが設立されるようになった.2005年12月の段階では,すでに全国684施設で設立され,236施設でNST稼働準備が進められていると報告されている.筆者の勤務する施設では,もともと独自に活動していた「脳卒中科NST」と「腎臓内科NST」が2000年に合併して院内のNSTとして活動を開始し,2002年から全科型NSTへと発展した.筆者は2001年よりNSTの活動に関わっている.今回は,筆者が経験した急性期総合病院でのNST活動を紹介する.
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