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はじめに
前回の薬に関する情報の補足から始めます。
最初に基礎知識として薬品名について説明します。
先発品は商品名(ブランド名)+剤型+規格(含量)となっています。例えばアムロジン錠5mgです。現在,後発医薬品(ジェネリック)の使用促進のため平成28年には診療報酬も改定されました。後発医薬品とは先発医薬品の特許(薬によりますが5〜10年)が切れた後に,同一の有効成分であるとして,臨床試験などを省略して承認される医薬品のことです。一般名(成分名)+剤型+規格(含量)+会社屋号で示されます。例えばレバミピドOD錠100mg「杏林」という記載です。業界用語では後発品は昔「ゾロ」と呼ばれていました。後発品は次から次へとゾロゾロ出てくるところからのようです。かつては安かろう,悪かろうの製品イメージがありましたが,現在では経済的メリットを追求した先発品のコピー製剤と,先発品を改善・改良した付加価値型製剤があります。以上は医師・歯科医師の処方による医療用薬品ですが,一般の人が自らの判断で使用する一般用医薬品〔OTC(over the counter)薬〕もあります。ガスターやロキソニンSなどすでにおなじみかもしれません。
表1には高齢者で特に注意が必要な薬剤についてまとめました。訪問リハで対応する患者さんへの与薬頻度が高いと思われる薬のみの記載です。薬に対しては基本的に高齢者は薬が効きすぎることがあると考えて対応してよいと思います。療法士の皆さんが処方するわけではありませんが,処方事情を知り対応することはしばしば状態像の改善につながります。高齢者においては訴えも非定型的で状態像の正確な表現ができない場面も散見されます。ですので,かかわる皆で生活状況の変化を読み取り,かかりつけ医に報告することが薬効評価判断の材料となります。認知機能低下のある場合,自分に起きていることを理解できず適切な時期に医療を受けられないことにより重症となるとされ,さらに薬効評価には配慮が必要になります。
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