Japanese
English
研究
低速歩行高齢者の身体・認知・精神機能の特徴—有料老人ホーム入居高齢者を対象とした研究
The Characteristics of physical, cognitive, and mental function among elderly with low-speed walking:Analysis of the elderly in“Care retirement house”
村田 伸
1
,
大杉 紘徳
2
,
矢田 幸博
3
,
岡村 祐一
4
,
張 淑珍
4
,
津田 彰
5
Shin Murata
1
,
Hironori Ohsugi
2
,
Yukihiro Yada
3
,
Yuichi Okamura
4
,
Zhang Shu-zhen
4
,
Akira Tsuda
5
1京都橘大学健康科学部
2城西国際大学福祉総合学部
3筑波大学大学院グローバル教育院
4久留米大学大学院心理学研究科
5久留米大学文学部
キーワード:
高齢者
,
低速歩行
,
身体・認知・精神機能
Keyword:
高齢者
,
低速歩行
,
身体・認知・精神機能
pp.608-613
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200661
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要旨 本研究の目的は,有料老人ホームに入居している85名の高齢者を対象に,上下肢機能や活動能力などの身体機能評価に加えて,認知機能や精神機能を評価し,低速歩行高齢者の身体・認知・精神機能の特徴を明らかにすることである。分析の結果,通常歩行速度が1m/sec未満の低速歩行高齢者(25名)は非該当者(60名)と比較して,下肢筋力の指標である30秒間椅子立ち上がりテストと活動能力の指標とした老研式活動能力指標,および健康関連QOLの得点が有意に低く,年齢と抑うつ傾向が有意に高かった。さらに,共分散分析によって年齢を調整すると,抑うつ傾向のみに有意差が認められた。これらの結果から,低速歩行高齢者は下肢筋力の弱化や活動性の低下に加え,抑うつ傾向やQOLなどの精神機能面の低下が生じていることが示唆された。さらに,年齢を調整しても抑うつ傾向が高かったことから,高齢者の介護予防対策には,精神機能面の維持・向上を図る重要性が再確認された。
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