新人看護職議員の永田町だより いま,国政の場では―看護職出身の2人の国会議員による活動日記
"有料老人ホーム"にみるシルバー産業のゆくえ
外口 玉子
1,2
1衆議院
2社会党
pp.71
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901869
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第121臨時国会は,海部内閣の「命運をかけた」政治改革関連3法案の廃案と共に終わりました.バブル経済体制の崩壊に伴う証券取引法は,日本の財,官,政界の癒着構造の抜本的改革がないままの成立となりました.多くの論議を巻き起こした老人保健法は,幾つかの間題を含みつつ,改正されました.なかでも「訪問看護ステーション」の創設は新しい看護サービス提供のしくみづくりに一石を投じています.
憲法違反の国連平和維持活動(PKO)法案は,第122臨時国会へ継続審議となりました.日本はいまだ戦争責任をアジア諸国に対して果たしていません.2000万人ともいわれる犠牲者を出したアジアの人々の心の傷は,癒えるどころか,軍事力を背景にした日本の進出に不信と警戒心とを強めています.また,国会での事前の承認さえないままに自衛隊を海外へ派遣しようとする政府の姿勢に,全国各地で様々な立場の人々から懸念の声があがっています.軍事力以外の医療面,災害面などに日本が国際社会の中で果たさなければならないことは数多くあります.しかも,世界的規模の軍縮が具体的に進められているこの時期に,なぜ,日本だけがそれに逆行する道を歩んでいこうとするのか.憲法の"解釈"にたたずむのではなく,平和憲法の"実践"に,今,立法府に身をおく者として,あらん限りの力を尽くしてゆきたいと思います.
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