連載 夕凪の島で共に暮らす─離島の特養における認知症ケア・第3回
光の苑の認知症ケアの基本:その1
武原 光志
1
1特別養護老人ホーム光の苑
pp.213-215
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200341
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光の苑を訪れて,光の苑のケアの基本は何ですかと職員に尋ねられれば,「はじめに人ありき」とか「傾聴すること」,あるいは「相手の立場に立ってケアを考える」などと答えると思います。
光の苑を開設するにあたって,作業療法士らが中心になってケアのあり方を検討・探求してきましたが,原点は,どうしたら認知症を病む人々が窮屈な思いをせずに自由に暮らせるだろうかという問いかけでした。皆で自問自答し,その結果,出てきた“答え”が,どこかの誰かがつくったマニュアルに基づいて,それを金科玉条にしてケアすることはやめよう,目の前におられる認知症を病む人々の心の中を聴くことから始めようということでした。光の苑の認知症ケアのキーワードを挙げるとすれば,① 「はじめにケアありき」からの脱却,② 主語(主体)はだれか,③ 「できない」わけではない,④ <今>を肯定する,⑤ 傾聴する,⑥ ステージアプローチなどです。以下,それについて2回に分けて述べてみたいと思います。
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