特集 高齢障害者の自動車運転
高齢運転者の健康起因事故における法的責任
馬塲 美年子
1
1慶應義塾大学医学部総合科学研究センター
pp.732-735
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200225
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自動車運転はそもそも危険であり,運転者には安全に運転する注意義務が課されている。注意義務を怠って事故を起こした場合,運転者は,刑事・民事・行政の3点から法的責任を問われる可能性がある。近年,認知症,脳血管障害やそれに伴う障害,てんかんなど意識消失を伴う疾患などの影響による事故(健康起因事故)が注目されている。これらの疾患は,いずれも加齢とともに発症率・罹患率が増加する1)〜3)。
以下に,高齢者の健康起因事故に係る法的責任および医療者の役割について,認知症を中心にまとめた。なお,関連法律について主なものを表にまとめた(本文中,参1〜12は表内に対応箇所あり)。
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