Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)
脊髄の力学特性
Mechanical Property of Spinal Cord
市原 和彦
1
,
田口 敏彦
1
,
嶋田 佳典
2
,
桜本 逸男
3
,
河野 俊一
2
,
河合 伸也
1
Kazuhiko Ichihara
1
1山口大学医学部整形外科
2山口大学工学部機械工学科
3徳山工業高等専門学校機械電気工学科
1Department of Orthopedic Surgery, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
spinal cord
,
脊髄
,
mechanical property
,
力学特性
Keyword:
spinal cord
,
脊髄
,
mechanical property
,
力学特性
pp.549-551
発行日 1999年4月25日
Published Date 1999/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902697
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:現在までに,“頚髄の灰白質は白質よりも柔らかく脆い”という概念のもと,圧迫性頚髄症の病態を解明するために様々な実験が行われている.しかし,脊髄を構成する白質,灰白質の力学特性が解明されていないため,これらの実験は推測の域を出ない.そこでわれわれは頚髄の力学特性を解明する目的で,自質,灰白質それぞれの引張試験を行った.
その結果,従来の概念とは異なり,“頚髄の灰白質は白質よりも硬く脆い”ことが分かった.
今後,有限要素法を用いた頚髄圧迫シミュレーションに応用することにより,脊髄内の正確な応力,ひずみの状態の把握が可能になり,これは圧迫性頚髄障害の病態解明につながるであろう.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.