Japanese
English
臨床経験
石灰化を伴って再発した胸髄髄膜腫の1例
Calcified Recurrent Spinal Meningioma
荷田 啓一郎
1
,
土井田 稔
1
,
原田 俊彦
1
,
水野 耕作
1
,
尾崎 昭洋
2
,
園田 万史
2
Keiichiro Hasuda
1
1神戸大学医学部整形外科
2市立西脇病院
1Kobe University School of Medicine
キーワード:
meningioma
,
髄膜腫
,
thoracic spine
,
胸髄
,
calcification
,
石灰化
,
direct tumor sign
,
腫瘍陰影
Keyword:
meningioma
,
髄膜腫
,
thoracic spine
,
胸髄
,
calcification
,
石灰化
,
direct tumor sign
,
腫瘍陰影
pp.847-851
発行日 1997年7月25日
Published Date 1997/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908339
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抄録:症例は65歳女性である.1959年頃から両下肢の知覚鈍麻が出現し歩行不能となったため,1962年に当科入院した.胸髄腫瘍の診断で腫瘍摘出術を行った.組織学的にはpsammomatous meningiomaであった.術後経過は順調であったが、1989年頃から再び歩行困難出現し,胸髄髄膜腫再発の疑いで1996年当科入院した.単純X線像で第4胸椎レベルに石灰化陰影を認め,CT,MRIでも同レベルで腫瘍による脊髄の圧迫像が認められた.石灰化を伴った胸髄腫瘍と診断し,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は全て石灰化組織よりなり,病理組織的にはpsammomatous meningiomaの再発であった.髄膜腫の再発は一般的には4~13%と報告されているが,本症例のように30年以上もの期間をおいて再発し,しかも単純X線像上で石灰化像を認めた報告はなく,極めて稀な1例と考えられる.
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