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特集 Parkinson病と脊椎
Parkinson病患者の脊椎アライメント
Spinal Alignment in Patients with Parkinson's Disease
渡邊 慶
1
,
長谷川 和宏
1
Kei WATANABE
1
,
Kazuhiro HASEGAWA
1
1亀田第一病院新潟脊椎外科センター
1Niigata Spine Center, Kameda Daiichi Hospital
キーワード:
Parkinson病
,
Parkinson's disease
,
脊椎アライメント
,
spinal alignment
,
椎体骨折
,
vertebral fracture
Keyword:
Parkinson病
,
Parkinson's disease
,
脊椎アライメント
,
spinal alignment
,
椎体骨折
,
vertebral fracture
pp.649-653
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202161
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Parkinson病の姿勢・アライメント異常
Parkinson病(PD)の発症年齢は50〜65歳に多く,社会の高齢化に伴い患者数が増加している19).厚生労働省の指定難病患者数は潰瘍性大腸炎に次いで第2位となっており,PD患者の脊椎疾患への対応は脊椎外科医にとっても大きな課題となっている.PD患者の脊椎疾患に対する治療においては,椎間の変性や骨粗鬆症など運動器の障害に加えて,PD特有の姿勢異常が混在していることに留意して,その病態を把握する必要がある.
PDの特徴的な姿勢異常として,前傾姿勢,腰曲がり(camptocormia),Pisa症候群,首下がり(dropped head)などがある.胸腰椎部における矢状面の変形の有病率については,camptocormiaが3〜30%2,8,18)と報告されている.これらの姿勢異常は,頸部〜背部伸筋群の筋力低下に加えて,屈筋群のジストニア(持続的な筋緊張による,捻転性または反復性の運動や異常姿勢)が原因と考えられている.脊椎疾患で最も問題となる腰曲がりであるが,その定義は,立位や歩行時においては胸腰椎の前屈45度以上の変形を呈するが,臥位になると消失する姿勢異常とされている19).国立精神・神経医療研究センターによる分類では,股関節で前屈する腰部前屈型と,下位胸椎〜上位腰椎部で前屈する上腹部前屈型に分類され,前者は大腰筋,後者は外腹斜筋が原因筋とされている8).また近年では,姿勢異常の原因は,固有感覚障害を背景に発生する2次性のミオパチーとも考えられており,今後ミトコンドリア機能異常などとの関連も注目されている11).
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