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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第5章 周術期のトラブル対応
脊椎外科周術期における医事紛争
Perioperative Trouble in the Spine Surgery
梁瀬 義章
1
Yoshiaki YANASE
1
1長吉総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagayoshi General Hospital
キーワード:
医療事故
,
medical accident
,
周術期管理
,
perioperative management
,
信頼関係
,
trust relationship
Keyword:
医療事故
,
medical accident
,
周術期管理
,
perioperative management
,
信頼関係
,
trust relationship
pp.1016-1021
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201994
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はじめに
日本麻酔科学会は,安全な手術の実施に向けて,麻酔科医を中心としたチームによる「周術期管理チームの構想」を2007年から提唱している.スタッフが揃った病院では,手術が決定した時点から診療科医師と多職種(麻酔科医・薬剤師・歯科医・臨床工学技士・理学療法士・管理栄養士・手術部看護師・病棟看護師など)が計画的に介入することで,術前休止薬漏れ・検査不備による手術の延期や,術後疼痛対策・早期離床・リハビリテーションによる術後合併症減少などの安全管理に努めている.しかし,中小の病院では麻酔科医すら常勤がおらず,術当日の管理は病棟看護師と当直医のみである場合が多い.周術期の管理は術前の取り組みから必要である.周術期管理が問題となった係争症例には,
1)手術決定時の問題(診断時期,術前説明と同意)
2)入院から手術までの期間
3)術式の選択
4)周術期の予防措置
5)麻酔管理
6)手術中の手技
7)麻酔覚醒後の管理
などの問題があるが,脊椎外科領域では,手術中の手技に関するトラブルと麻酔覚醒後のトラブル事例が多い.実際にトラブルとなった事例を紹介し,同じ過ちを繰り返さないための反省点について述べる.
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