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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第2章 術前準備と周術期管理
転移性脊椎腫瘍の患者に対する術前説明と周術期管理のポイント
Points of Preoperative Informed Consent and Perioperative Management for Patients with Metastatic Spinal Tumors
加藤 仁志
1
,
出村 諭
1
,
横川 文彬
1
,
土屋 弘行
1
Satoshi KATO
1
,
Satoru DEMURA
1
,
Noriaki YOKOGAWA
1
,
Hiroyuki TSUCHIYA
1
1金沢大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
術前説明
,
preoperative informed consent
,
周術期管理
,
perioperative management
Keyword:
転移性脊椎腫瘍
,
metastatic spinal tumor
,
術前説明
,
preoperative informed consent
,
周術期管理
,
perioperative management
pp.921-925
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201974
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はじめに
近年の目覚ましいがん全身治療の進歩により,さまざまながん種において患者の生存率は向上しており,この傾向は転移を有する進行がんの患者においても同様である.がん転移の好発部位である脊椎に転移巣を有する患者の生存率も延長し,それに伴い患者数も年々増加している.骨転移巣はほかの転移巣に比べてがん薬物療法に抵抗性を示すことが多く,痛みや麻痺などの骨関連事象(skeletal related event:SRE)を呈し,パフォーマンスステータス(PS)を低下させることが多いため,整形外科医による診療や治療介入が必要になる機会も多い.脊椎転移に対する局所療法としては,放射線治療や姑息的手術といったSREの改善・予防を目的とした治療を行うことがほとんどであるが,腎がんや甲状腺がんなどの孤立性転移に対しては根治的切除(腫瘍脊椎骨全摘術(total en bloc spondylectomy:TES))の適応になることもある8).
本稿では,転移性脊椎腫瘍の手術における術前説明と周術期管理のポイントについて概説する.
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