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特集 周術期対応ハンドブック—術前準備から術後管理・社会的対応まで
第4章 私の手術記録
私の脊椎手術記録—誰のために何を記録に残すべきか
My Operation Records of Spinal Surgery: How You Report and for Whom You Write?
相庭 温臣
1
Atsuomi AIBA
1
1沼津市立病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Numazu City Hospital
キーワード:
手術記録
,
operation record
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
イラスト
,
illustration
Keyword:
手術記録
,
operation record
,
脊椎手術
,
spinal surgery
,
イラスト
,
illustration
pp.1002-1007
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201991
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はじめに
手術を施行した場合に,手術記録として診療録に残すことが医療法施行規則で義務づけられているが,以下の内容が必須事項として定められているのみである.「手術を行った医師の氏名,患者の氏名等手術記録をそれぞれ識別できる情報,手術を行った日,手術を開始した時刻及び終了した時刻,行った手術の術式,病名」1).すなわち,何を記録に残すべきかは,手術を施行した医師側に裁量権がある.この際に考慮すべきは,手術記録を誰のために書き残すのかということである.
手術記録を残す目的となる対象者としては,以下の4者が挙げられる.①同じ専門の医師(他病院医師も含める),②自施設の医療スタッフ,③患者本人や弁護士,④自分自身.同じ専門の医師が内容を確認する際に必要な項目としては,手術内容が理解可能なこと,術中所見としての症例の特徴が記載されていること,使用されたインプラントの種類などの記載が挙げられる.自施設のメディカルスタッフや,何か問題があったときに患者本人や弁護士など専門外の方が手術記録を読む可能性もあるため,ある程度わかりやすい表現が求められる.そして,最後に自分自身が手術を振り返るのに,症例の特徴や手術にあたって特に留意した点などを記載することが重要と考える.
今回,「私の脊椎手術記録」と題して,これまで行ってきた自身の脊椎手術記録について実際の手術記録を提示しつつ,私見を述べたい.
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