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Spine & Spinal Cord Volume 34, Issue 8 （February 2022）

脊椎脊髄ジャーナル 34巻8号（2022年2月発行）

Japanese English

特集 Failed back surgery syndromeへのアプローチ—診断と対処法

椎間孔，椎間孔外への診断と手術 Diagnosis and Surgery for Symptomatic Foraminal and Extra-foraminal Stenosis in Lumbar Spine 大鳥精司 ¹ Seiji OHTORI ¹ ¹千葉大学大学院医学研究院整形外科学 ¹Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University キーワード：椎間孔 , foraminal stenosis , 椎間孔外 , extra-foraminal stenosis , 手術 , surgery Keyword: 椎間孔 , foraminal stenosis , 椎間孔外 , extra-foraminal stenosis , 手術 , surgery pp.491-498

発行日 2022年2月21日 Published Date 2022/2/21

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201676

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参考文献 Reference

Failed back surgery syndromeの概念

　Failed back surgery syndromeとは，日本脊椎脊髄病学会の用語事典によれば，腰椎疾患の手術後に，腰痛や下肢痛などの症状が残存することであり，不適切な診断，患者側の心理的因子，社会的状況，労災の有無，手術方法，術後の因子として，すべり症の増強，ヘルニア再発，筋筋膜性腰痛の悪化が報告されているとしている．頻度は10％もしくはそれ以上と考えられている．いかなる腰椎疾患でも起こり得るが，腰部脊柱管狭窄症，骨粗鬆性圧迫骨折後の椎体形成術，腰椎椎間板ヘルニア手術後などがある．術式ではレーザーによる椎間板手術，除圧術，内視鏡，顕微鏡手術，脊椎インストゥルメンテーション手術後のfailed back surgery syndromeがある．これらは，多数回手術（multiple operated back：MOB）へと発展し，患者への過度の精神的，身体的負担をかけ，医療経済へも同等な負担を強いる．