Japanese
English
特集 脊髄病変と排泄・性機能障害
脊髄損傷による射精障害患者に対する妊孕性温存
Fertility Preservation for Men with Spinal Cord Injury
小堀 善友
1
,
岩端 威之
2
Yoshitomo KOBORI
1
,
Toshiyuki IWAHATA
2
1プライベートケアクリニック東京 東京院
2獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科・リプロダクションセンター
1Private Care Clinic Tokyo
キーワード:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
射精障害
,
ejaculation disorder
,
精巣内精子採取術
,
microdissection testicular sperm extraction
Keyword:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
射精障害
,
ejaculation disorder
,
精巣内精子採取術
,
microdissection testicular sperm extraction
pp.263-268
発行日 2021年10月5日
Published Date 2021/10/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201617
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はじめに
日本の外傷性脊髄損傷者は現在推定10万人以上おり,毎年約5,000人が新規に発生している26).また,2002年の調査において,男性患者が70%以上を占め,年代別の発生件数では50歳代以降および20〜29歳に多くの患者が集まる二峰性のパターンであると報告されている25).
脊髄損傷者の泌尿器科的問題として,生涯にわたる尿路管理が必要な排尿障害のほかに,男性に限っていえば,勃起障害・射精障害をきたす性機能障害の頻度が高い.20歳代の若い男性に脊髄損傷が多く発生することを鑑みると,脊髄損傷者患者における性機能と生殖機能は重要な問題である.また,射精できたとしても精液の質が悪いことから,生殖医療の補助なしに挙児が得られるのは10%のみとされ9),同時に脊髄損傷者は特異的な不妊集団を形成することとなっている.ここでは,男性の脊髄損傷者における射精障害と生殖機能について述べる.
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