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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第6章 脊柱変形
側弯症治療を行う際の骨成熟度評価法—Risser分類を中心に
Correlation of the Risser Sign and the Other Skeletal Maturity Assessment in Patients with Adolescent Idiopathic Scoliosis
野原 亜也斗
1
,
川上 紀明
2
Ayato NOHARA
1
,
Noriaki KAWAKAMI
2
1JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎外科
2国家公務員共済組合連合会名城病院脊椎脊髄センター
1Department of Spine Surgery, JCHO Tokyo Shinjuku Medical Center
キーワード:
骨成熟度
,
skeletal maturiy
,
Risser分類
,
Risser sign
,
Sanders分類
,
Sanders skeletal maturity assessment
Keyword:
骨成熟度
,
skeletal maturiy
,
Risser分類
,
Risser sign
,
Sanders分類
,
Sanders skeletal maturity assessment
pp.432-437
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201387
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はじめに
思春期特発性側弯症患者において,側弯が最も進行する時期が思春期のgrowth spurtの時期とほぼ一致することは広く受け入れられており,その時期を把握することは側弯症を治療するうえで重要となる.側弯の進行度や治療指針を把握する因子としては,側弯のタイプや大きさ,歴年齢,性別,身長,arm span,体重,初潮,男性であれば声変わり,骨年齢,両親の身長などが挙げられる.その中で特に骨年齢は,装具開始時期や終了時期,そして手術適応を決定する重要な因子である.また,側弯症に対する装具治療の有効性に関する報告からも6,17),的確な装具治療を行ううえで,骨年齢をできる限り正確に評価する必要性が再認識されてきている.
側弯症治療の際に使用されている代表的な骨成熟度の評価方法にはRisser分類11〜13)がある.Risser分類は,側弯症診療で撮影するX線全脊柱正面像で評価でき簡便であることから,現在まで広く受け入れられてきた.しかし,その詳細,利点,欠点などを十分に理解しておく必要がある.一方で,骨年齢を評価するうえで,Risser分類のみで治療を行うには不十分との報告は少なくなく,ほかの骨成熟度を評価する方法を併用することも必要である.
本稿では,側弯症治療を行ううえで重要な骨成熟度の評価について,Risser分類を中心に詳述する.
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