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特集 椎骨動脈のすべて
椎骨動脈損傷時の脳循環の評価と血管内治療
Evaluation of the Brain Circulation and Endovascular Treatment for Vertebral Artery Injury
石黒 友也
1
,
小宮山 雅樹
1
Tomoya ISHIGURO
1
,
Masaki KOMIYAMA
1
1大阪市立総合医療センター脳血管内治療科
1Department of Neuro-intervention, Osaka City General Hospital
キーワード:
椎骨動脈損傷
,
vertebral artery injury
,
脳循環
,
brain circulation
,
血管内治療
,
endovascular treatment
Keyword:
椎骨動脈損傷
,
vertebral artery injury
,
脳循環
,
brain circulation
,
血管内治療
,
endovascular treatment
pp.605-612
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201158
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はじめに
椎骨動脈損傷(vertebral injury:VAI)は,外傷だけではなく頸椎手術の際にも認められ,その種類は解離による狭窄や閉塞,仮性瘤形成,動静脈瘻形成,穿通,裂傷などとさまざまである5,8,17).頸椎手術では,前方固定や頭蓋頸椎移行部の後方固定の際に椎骨動脈損傷を起こしやすく,大量出血時には椎骨動脈を閉塞せざるを得ない場合もある2,5,8,11,16).椎骨動脈を閉塞させても脳梗塞に至らないこともあるが,逆に重篤な脳梗塞を起こすこともあるため,術前に脳循環の評価を検討しておくことが重要である.そのためには,頭蓋内を含めた椎骨動脈の発生と解剖の知識が必須である.これらは頸椎手術のアプローチの際に検討すべき椎骨動脈のvariantの理解にもつながり,術中の椎骨動脈損傷の回避に役立つと思われる.また,椎骨動脈損傷の際の血管内治療医の役割についても解説する.
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