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はじめに
近年の超高齢化社会と健康長寿を目指した患者ニーズや,脊椎インプラントの発展に伴って,最小侵襲脊椎手術や脊柱変形手術などX線透視を必要とする手術が増加している.最小侵襲脊椎手術では,microendoscopic discectomy(MED),あるいはpercutaneous endoscopic discectomy(PED)などの除圧術において,解剖学的なオリエンテーションを得るために,またminimally invasive transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF),extreme lateral interbody fusion/oblique lateral inter-body fusion(XLIF/OLIF),balloon kyphoplasty(BKP)などの最小侵襲脊椎安定術(Minimally Invasive spine Stabilization:MISt)では,椎体間ケージの設置,経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)の挿入,あるいは椎体内へのセメント注入などにX線透視は必須である.さらに,脊柱変形手術など形態学的に複雑な脊椎手術に対しても,X線透視をはじめ何らかの術中画像支援が用いられている.
X線透視は,安全性確保の一助となる一方で,当然の懸念として術者,助手,またコメディカルスタッフなどの術中放射線被曝の問題がある.ナビゲーションシステムは,医療従事者の被曝量を低減できる可能性があるものの,コストなどの問題からすべての医療施設に導入することは難しいのが現状である.
医療被曝については,患者の診断被曝に注目が置かれることが多いが,本稿では術者の観点から,主にわれわれが調査した最小侵襲脊椎手術における医療従事者の放射線被曝の実際と注意点を述べ,実践的な放射線被曝の軽減方法などを解説する.
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