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特集 脊椎脊髄手術の安全性を高める予防と対策
第2章 各論
2.術中
手術体位の工夫,手術高位の誤認予防と対策
Contrivance of Surgical Position, and Prevention and Counterplan for Misconception of Operative Level
宮﨑 正志
1
Masashi MIYAZAKI
1
1大分大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Oita University
キーワード:
手術体位
,
surgical position
,
手術高位
,
operative level
,
後方到達法
,
posterior approach
Keyword:
手術体位
,
surgical position
,
手術高位
,
operative level
,
後方到達法
,
posterior approach
pp.323-327
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200844
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はじめに
脊椎脊髄外科の手術において,適切な手術体位を得ることは,術野展開や術中操作を容易にし,周術期の合併症を減少させ手術を成功に導くための重要な要点である.決して助手や手術場スタッフのみに任せず,最終チェックを術者自身が行う必要がある.また,脊椎脊髄手術の多くが,全身麻酔下で腹臥位という特殊な状況で数時間かけて行われるため,仰臥位に比べて挿管チューブの状態が把握しにくく,皮膚や内臓への圧がかかり,合併症の危険性が増している.術者およびスタッフはこの点を認識し,その対策をとることが重要である.執刀前の確認ミスとしての脊椎手術の高位誤認は,医療機関の信用の失墜に直接つながりかねないが,約半数の脊椎外科医が経験し,X線撮影でも術者の解釈間違いにより発生するとの報告もある5).本稿では,脊椎後方手術における腹臥位での手術体位の工夫および手術高位の誤認予防とその対策を述べる.
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