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特集 脊椎脊髄手術の安全性を高める予防と対策
第1章 総論
脊椎脊髄外科におけるリスクマネジメント上の課題—医療事故や偶発症を防止するための基本的考え方
Basic Concept for Prevention of Accidents and Complications in Spine Surgery
山崎 隆志
1
Takashi YAMAZAKI
1
1武蔵野赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Musashino Red Cross Hospital
キーワード:
脊椎脊髄外科
,
spine surgery
,
医療安全
,
medical risk management
,
医療の質指標
,
quality indicator
Keyword:
脊椎脊髄外科
,
spine surgery
,
医療安全
,
medical risk management
,
医療の質指標
,
quality indicator
pp.267-273
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200832
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はじめに
1800年代後半に発明された自動車は,百数十年を経て,スピードや乗り心地ではなく,今や安全技術を競う時代となった.1700年代後半の産業革命により始まった近代工業も,生産第一,品質第二,安全第三の順序が百数十年後から変わり始め,現在では安全が第一である.
手術は本質的に危険を伴うのでその安全を担保することは最も重要であるにもかかわらず,安全への取り組みはまだ十分とはいえない.1846年モートンによる全身麻酔が近代外科の始まりとすれば,外科は150年を超える歴史があることになり,安全へと舵を切る時期がきているのではないだろうか.
医療過誤であればもちろん,過失のない偶発症でも成績不良の患者のベッドサイドに行くのは気が重い.筆者の医局の庭訓7)は「最悪の場合でも現状より悪くするな」である.過誤と偶発症のない安全な脊椎脊髄外科となるためのリスクマネジメントの課題について考察する.
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