Japanese
English
特集 アスリートの脊椎・脊髄障害—病態と早期復帰への工夫
アスリートの腰部障害の機序とその予防
Mechanism and Prevention of Lumbar Disorders among Athletes
金岡 恒治
1
,
阿久澤 弘
2
,
成田 崇矢
3
,
大久保 雄
4
Koji KANEOKA
1
,
Hiroshi AKUZAWA
2
,
Takaya NARITA
3
,
Yu OKUBO
4
1早稲田大学スポーツ科学学術院
2早稲田大学スポーツ科学研究科
3健康科学大学健康科学部
4埼玉医科大学保健医療学部
1Faculty of Sports Sciences, Waseda University
キーワード:
アスリート
,
athletes
,
腰部障害
,
lumbar disorders
,
身体機能
,
physical function
Keyword:
アスリート
,
athletes
,
腰部障害
,
lumbar disorders
,
身体機能
,
physical function
pp.181-187
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200814
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はじめに
スポーツ動作は身体構造に対する負荷が大きく,かつ繰り返しの運動が要求される.そのため,特定の動作の繰り返しが腰部の安定性に寄与する椎間板,椎間関節,靭帯,筋筋膜,筋付着部に大きな負荷を加えて,障害発生につながる.しかし,同様の練習を行っていても,腰部障害を起こす者と起こさない者が存在する.そのため,運動の負荷量や練習環境だけでなく,個人の身体因子である柔軟性や筋機能,運動フォームなどが障害発生に深く関連する.スポーツ障害の多くは,それらの身体機能の低下が根本的な原因となり,特定の組織に過負荷がかかることで生じると考える.つまり,組織の損傷や炎症反応は根本的な問題ではなく,その組織にストレスを加える原因となる身体因子があるために起こる結果であるといえる.本稿では,スポーツ障害を診るうえで必要な障害程度(stage)分類について述べるとともに,アスリートの腰部障害の各病態と,障害発生の根本的な原因となり得る身体因子を含めて,発生機序について解説する.そのうえで,それぞれの障害の予防方法を提言する.
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