特集 肩こりと後頸部痛の日常臨床
特集にあたって
田口 敏彦
1
1山口大学大学院医学系研究科整形外科
pp.999
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200487
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肩こりは,厚生労働省が行う国民生活基礎調査でも常に上位にランクされる愁訴であり,平成25年の調査においても,有訴率は,男性では腰痛に次いで第2位,女性では第1位と非常にありふれた症状である.しかしながら,その病態については不明瞭な点も多く,厳密な定義は難しい.一般には,後頭骨下縁から項部,上背部,肩関節部における①重ぐるしい感じ,②張っている感じ,③痛い感じ,④固くなった感じ,と述べられることが多く,明確に定義することは困難であるが,首,肩,背中の筋肉の緊張を伴う違和感や鈍痛といえる.
英語ではshoulder stiffnessと訳すことが多いが,なにかぴったりした訳語ではなく,日本人特有な症状と思われがちである.しかし,その頻度を日本と米国とで比較するとあまり変わらないとの報告もある.英語では,shoulderという単語が用いられることは少ないが,neck stiffness,neck pain,neck tension,neck soreness,neck ache,stiff neckなど意外と多くの表現がある.
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