特集 転移性脊椎腫瘍の包括的治療
特集にあたって
田口 敏彦
1
1山口大学整形外科
pp.1001
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200256
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転移性骨腫瘍の正確な疫学データはないが,剖検数などから推計すると全がんの約30%といわれている.しかし,実際に骨転移を有する症例はもっと多いことは容易に想像できる.骨転移があれば末期と思われていたがんが,近年の画像診断や治療の向上により,骨転移出現後5年,10年と日常生活を送れる症例もみられるようになってきただけに,転移性骨腫瘍の治療は重要になってきている.
これら骨転移の中でも,転移性脊椎腫瘍は臨床上遭遇することが多く,痛をはじめ脊髄圧迫による脊髄麻痺は,患者のADL,QOLを大きく低下させ,骨関連事象(skeletal related events)の中では,まず第一に対応すべきものである.
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