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特集 脊椎外傷—捻挫から脊髄損傷まで
第3章 特異な病態
骨粗鬆症性椎体骨折ならびに偽関節
Osteoporotic Vertebral Fractures and Pseudoarthrosis
坂野 友啓
1
,
戸川 大輔
1
Tomohiro BANNO
1
,
Daisuke TOGAWA
1
1浜松医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
骨粗鬆症(osteoporosis)
,
椎体骨折(vertebral fractures)
,
偽関節(pseudoarthrosis)
Keyword:
骨粗鬆症(osteoporosis)
,
椎体骨折(vertebral fractures)
,
偽関節(pseudoarthrosis)
pp.414-419
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200362
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はじめに
脊椎椎体骨折は,骨粗鬆症を背景とする脆弱性骨折の中で最も頻度が高く,日常診療で数多く遭遇する骨折である.治療は安静やコルセットによる保存治療が中心であり,8割以上の椎体骨折は保存療法によって骨癒合が得られ,回復する.しかし,骨癒合が得られないと遷延癒合・癒合不全・偽関節へと進行する場合もある.そのような場合には著明な体動時痛とQOL障害をきたし,さらに圧潰すると神経症状(遅発性麻痺)を呈するものもある.
近年,成人脊柱変形という疾患概念から,後弯変形が腰痛やさまざまなQOL障害を呈することが広く認識されてきており,矢状面アライメントを考慮した治療が重要視されている.高齢者であっても,良い矢状面アライメントを維持することにより,良好なQOLを維持することができる可能性は高い.本稿では,椎体骨折における現状の問題点・今後の課題とそれぞれの治療の位置づけについて論ずる.
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