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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-85
再発髄膜腫に対する全周性硬膜切除・腫瘍切除術
Whole Circumference Durectomy and Reconstruction for the Treatment of Recurrent Spinal Meningioma
岩波 明生
1
,
中村 雅也
1
Akio IWANAMI
1
,
Masaya NAKAMURA
1
1慶應義塾大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University
pp.7-13
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200274
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手術適応
脊髄髄膜腫は,脊髄腫瘍の中でも神経鞘腫の次に頻度の高い腫瘍である.硬膜内層より発生し,硬膜内髄外腫瘍の形をとることが多い.脊髄硬膜内腫瘍の約25%程度が髄膜腫であるといわれている1).
脊髄髄膜腫は中年女性に多く発症し,胸髄レベルを好発とする.発生母地である硬膜を含めた腫瘍全摘出術(Simpson Grade Ⅰ)2)が最も推奨されるが,腫瘍が巨大な場合や,硬膜腹側由来である場合は,やむを得ず腫瘍全摘出と硬膜焼灼術の併用(Grade Ⅱ)や,全摘出のみ(Grade Ⅲ)あるいは部分摘出(Grade Ⅳ)になる場合があり,Gradeが上がるほど再発率が高くなる1).われわれはしばしば再発髄膜腫の症例を経験することがあるが,再発例ほど腫瘍と脊髄の癒着は著しく,手術の難易度も高い.特に硬膜腹側発生の再発髄膜腫に対しては,再々発を避けるためにも,腫瘍全摘出と発生硬膜の確実な切除が重要となってくる.本稿では,再発髄膜腫に対する全周性硬膜切除・腫瘍切除術について,イラストを交えて紹介する.
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