学会・研修会印象記
第39回日本老年精神医学会
宮嶋 涼
1
1江別市立病院
pp.1196
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203998
- 有料閲覧
- 文献概要
2024年7月12日(金)〜13日(土)に第39回日本老年精神医学会が砂川市立病院の内海久美子大会長のもと,「SDGsを求め進化する老年精神医学の未来〜すべての人に健康と福祉を〜」をテーマに開催された.
学会では,近年の老年精神医学でのトピックスであるアルツハイマー病に対する疾患修飾薬であるレカネマブに関する講演が多く見受けられた.これは高齢化に伴う認知症の増加を危惧した老年精神医学会の新薬への期待の表れであろう.レカネマブの対象は,アルツハイマー病による軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)か軽度認知症であるが,DSM-5によるMCI相当のmild neurocognitive disorderの診断基準は「毎日の活動において,認知欠損が自立を阻害しない」とされ,ADL障害が診断への大きな基準となっている.実際にレカネマブの治験においては,ADL尺度が評価項目になっており,生活行為を支援する作業療法士の視点が十分に活かせる領域であると感じた.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.