Japanese
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特集 地域移行・地域定着に貢献できる司法作業療法の未来
司法領域に関する作業療法教育の現状と今後の方向性
Current status and future direction of occupational therapy education in the legal field
香山 明美
1
,
磯田 竜輔
2
,
黒澤 範宗
2
,
渡邉 洋紀
2
Akemi Kayama
1
,
Ryusuke Isoda
2
,
Norimune Kurosawa
2
,
Hiroki Watanabe
2
1東北文化学園大学
2宮城刑務所
pp.1162-1168
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203989
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Key Questions
Q1:司法領域における作業療法士の経緯と現状は?
Q2:司法領域における作業療法士の役割は?
Q3:司法領域における作業療法教育のこれからのあり方は?
はじめに
2005年(平成17年)7月,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(以下,医療観察法)が施行されて以来,指定入院医療機関,指定通院医療機関への勤務の他,社会復帰調整官等として役割を果たす作業療法士が増加してきた.加えて刑事司法領域である刑務所や少年院において,出所予定の方を対象とした社会復帰プログラムを担当する専門職として作業療法士に依頼されることから始まり,この数年で,刑務所における機能向上作業への対応に作業療法士が常勤として雇用されるようになってきている.
筆者は長く精神科病院に勤務し,統合失調症の方を中心に退院支援,地域生活支援を展開してきた.一方で,刑務所をはじめ,地方矯正管区における職員研修の講師としてかかわる機会を得てきた.さらには,2021年度(令和3年度)より宮城刑務所の外部講師として常勤配置された作業療法士のサポートをする機会を得て,刑務所での作業療法士の役割を模索してきた.
本稿では,筆者の経験も踏まえて,司法領域における作業療法の現状を整理し,宮城刑務所と東北文化学園大学(以下,本学)との連携により実施してきている教育内容も紹介しながら,本領域での作業療法士養成教育の現状と課題を整理する.
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