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特集 内部障害のある人の生活支援と作業療法の実践
糖尿病の対象者に対する作業療法—将来までを見据えての実践
Occupational therapy for diabetics with an eye toward the future
髙瀨 一輝
1
Kazuki Takase
1
1三井記念病院
pp.1138-1145
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203538
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Key Questions
Q1:糖尿病の急性合併症と慢性合併症とは?
Q2:日常生活動作に改善に向けた作業療法評価と介入は?
Q3:行動変容に対する作業療法介入とは?
糖尿病は耐糖能異常や動脈硬化を基盤として合併症が進行し,脳血管障害や末梢神経障害による運動および感覚障害を生じるだけでなく,視覚障害や心理面等,多くの障害の原因となる.結果として,ADL・IADL低下,活動・参加レベルでの制限を引き起こし,場合によってはインスリン自己注射の手技の習得が必要となってくることから,作業療法の対象としても重要な疾患である.
従来の糖尿病に罹患している対象者への作業療法としては,合併症に対する上肢機能訓練,糖尿病の病態に応じたADLとIADL練習,インスリン導入にあたり自助具作製,認知機能・精神機能への評価や介入等が報告されている.OTが糖尿病の医学的知識を得ることや,これらへの「評価・介入」を行えるようになることは,いうまでもなく重要である.しかし,今後,重要となってくるのは,対象者の自己管理行動に対する行動変容への支援である.
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