増刊号 急性期における疾患別作業療法
第6章 精神科急性期の作業療法
COLUMN:児童精神科における早期の作業療法介入
川越 大輔
1
Daisuke Kawagoe
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台精神科デイケア
pp.1000-1002
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203493
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児童精神科(もしくは思春期外来等)という診療科を聞いたことがあるだろうか.少なくとも私は,国立国際医療研究センター国府台病院(以下,当院)に勤務するまでは聞いたことがなかった.当院は総合病院として身体疾患および精神疾患の入院病棟を有している.その中でも児童精神科は外来と45床の専用病床で成り立ち,主な治療対象は不安障害,うつ病,摂食障害,注意欠如・多動性障害/多動症(ADHD),自閉スペクトラム症(ASD),強迫性障害,転換性障害,解離性障害,心的外傷後ストレス障害(PTSD),児童期の統合失調症であるが,近年ではさまざまな疾患を背景としたひきこもりや不登校,摂食障害,発達障害の児童の受診が目立っている.
当院のOTは身体障害分野,精神障害分野(病棟担当と精神科デイケア担当)に配置されている.残念ながら児童精神科には専従のOTはおらず,治療を目的とした拘束による廃用障害等に対して精神障害分野(病棟担当)のOTが診療報酬の算定外にて介入しているのが現状である.私が配属されている精神科デイケアでは,通常の精神科デイケアとは別に,毎週木曜日に児童精神科デイケアを同時開催し,来所児に介入している.本稿では,児童精神科病棟における急性期の介入ではなく,児童精神科デイケアおける早期の作業療法介入の必要性について述べていく.
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