増刊号 急性期における疾患別作業療法
第5章 急性期におけるチーム医療と合併症管理
3 合併症としての透析管理
上谷 耕平
1
Kohei Uetani
1
1池田病院 血液浄化センター
pp.966-970
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203487
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はじめに
わが国の慢性透析療法を受けている患者は2021年(令和3年)現在,34万9,700人であった.透析患者数は年々増加傾向であったが,近年患者数の伸びは鈍化している1).しかしながら,筆者が所属する臨床現場では新規で透析療法を開始する患者が日々増えており,原疾患も生活習慣病からの糖尿病性腎症が圧倒的に多い.透析施設を併設しているリハの現場では,透析利用者を受けもつ場面も多いのではないだろうか.また透析療法にはさまざまな合併症があり,リハの対象となる疾患も多い.特に脳卒中や骨折等,急性期から回復期まで集中的にリハを実施しなければならない疾患では,透析時間や透析療法前後の体調不良等で思うようにリハが進まないケースもある.
今回は急性期における作業療法というテーマで,実際に透析利用者に対して作業療法を展開する中で,必要な透析療法と透析合併症の知識と介入ポイント,また近年注目されている腎臓リハにおいての作業療法の役割と今後の課題を報告する.
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