Japanese
English
特集 急性期脳卒中リハビリテーションup-to-date
合併症とその管理
Complications and its management in acute stroke rehabilitation
前野 豊
1
Yutaka Maeno
1
1横浜市立脳卒中・神経脊椎センター
1Yokohama Brain and Spine Center
キーワード:
脳卒中
,
急性期合併症
,
誤嚥性肺炎
,
静脈血栓症
,
予防
Keyword:
脳卒中
,
急性期合併症
,
誤嚥性肺炎
,
静脈血栓症
,
予防
pp.123-126
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200850
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はじめに
脳卒中は,高血圧症や糖尿病などの生活習慣病をその基礎疾患としていることが多い.しかも好発年齢が高いため,さまざまな併存疾患をもつ患者が多くなる.したがって,脳卒中のリハビリテーションを行うにあたっては,これらの「合併症」が併存する前提で対処する必要がある.また,特に急性期では,本特集の中でも示されているように,脳循環の自動調節能が低下するなど特殊な病態を呈しており,注意が必要となる.
脳卒中急性期に問題となる病態としては,神経症状の増悪・再発やけいれん発作などの神経系病態変化,せん妄,不安や抑うつなどの神経系合併症,誤嚥性肺炎などの呼吸器系合併症,高血圧,不整脈,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)などの循環器系合併症,消化管潰瘍による吐血・下血などの消化器系合併症,胆のう炎などの感染症,褥瘡など多岐にわたる(表1).本稿では,急性期リハビリテーションに直接かかわる続発症を中心に述べていく.
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