増刊号 急性期における疾患別作業療法
第2章 急性期脳卒中患者に対する作業療法
7 当院における急性期脳卒中患者の日常生活活動(ADL)への作業療法の実際
田口 健介
1
,
佐橋 郁美
1
,
樋口 謙次
1
Kensuke Taguchi
1
,
Ikumi Sahashi
1
,
Kenji Higuchi
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院
pp.841-846
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203464
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緒言
脳卒中は,脳の器質的損傷によって運動麻痺,感覚障害,運動失調,言語障害,高次脳機能障害等を引き起こし,その後遺症によって重度の要介護状態(要介護4,5)となることが最も多い疾患である1).さらに,脳卒中は身体障害分野のOTが対象とする疾患の第1位であり2),多くのOTが治療を行う重要な疾患である.
OTが扱う作業とは,対象となる人々にとって目的や価値をもつ「生活行為」を指し,その中には日常生活活動(Activities of Daily Living:ADL)や家事,仕事,趣味等の人の営みと,それに必要な心身の活動が含まれている3).つまり「脳卒中患者のADL治療(訓練)」は,まさにOTが果たすべき使命である.
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