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特集 神経難病のある生活者の視点を捉える
神経難病と作業療法オーバービュー—パーキンソン病のリハビリテーションを中心に
Occupational therapy for intractable neurological diseases overview: focusing on Parkinson's disease rehabilitation
長城 晃一
1
,
坪井 義夫
1
Koichi Nagaki
1
,
Yoshio Tsuboi
1
1福岡大学
pp.550-555
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203392
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Key Questions
Q1:神経難病を取り巻く国内外の近年の政策・科学技術・支援の動向は?
Q2:神経難病患者に対する作業療法実践はどのような視点か?
Q3:パーキンソン病患者における作業療法のエビデンスはどのような内容か?
はじめに
2015年(平成27年)に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が施行され,8年が経過した.その間,国から市町村レベルまで支援の役割が徐々に整備され,本法律に基づいたさまざまな取り組みが推進されてきた.たとえば,これまで稀少疾患のためマーケットが限定的であった難病の新規治療法の開発研究等にも光が当てられるようになった.そして治療法の進歩により,難病の多くが慢性疾患化し,病気そのものの治療だけでなく,日々の暮らしや就労を含めた患者の生活支援ニーズも高まっている.
本稿では,昨今の神経難病を取り巻く社会的情勢や科学技術の発展,さらには支援のあり方の動向について,現在から近未来にかけて作業療法の実践知に関する,あるいは可能性のある情報を中心に取り上げて概説する.疾患別の基本的概要は後述される各稿を,難病法の網羅的な概要は他書を参照されたい.そして本稿の後半はパーキンソン病(Parkinson's disease:PD)を例に神経難病のある患者に対し,当事者視点からの問題認識や作業療法の視点を通してどのように貢献できるか,現状のエビデンスを提示しながら,今後われわれが取り組むべき課題を整理する機会としたい.
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