Japanese
English
特集 訪問看護ステーションと作業療法—看取りも含めて
訪問の作業療法における本人支援—したいことを最期までできていたのであろうか?
Support for person himself in home-visit occupational therapy: If he was able to do what he wanted to do until the end
中村 公
1
,
石山 満夫
1
Ko Nakamura
1
,
Mitsuo Ishiyama
1
1千里津雲台訪問看護ステーション
pp.459-465
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203366
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:本人の想いに応えられていたのか?
Q2:本人の生きる力は育まれていたのか?
Q3:家族から遺族へ,これからのOT支援とは?
はじめに
訪問看護ステーションにおけるリハ(以下,訪問リハ)の支援には,自立に向け短期間で集中的にかかわる作業療法もあれば,人生の最後まで長期的にかかわり続ける作業療法もある.本稿では,訪問リハのOTとして,在宅で看取るまで長期的にかかわり続けることができた,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)の本人とのかかわりを紹介したい.
神経筋難病の一つであるALSのリハについて,筆者(中村)の恩師である小林1)は“関節拘縮の防止や廃用性機能低下の防止というケアプランだけでは生活機能や進行に対する対応は十分とは言えない”,“失われてゆく機能から,様々な日常生活の困りごとが誕生する.その困りごとを丁寧に,しかもきちんと解決していくこと,努力してゆくことが大切である”と述べている.
果たして,本人はしたいことを最期までできていたのであろうか? 本人の想いに応えられていたのか.また,本人の生きる力は育まれていたのか.これらの問いに向き合いたい.そして今回,発症後の在宅生活19年間を本人の傍らで支え続け看取った妻から,聞き取りの機会に恵まれた.今後の本人支援に活かすべく,自戒の念を込めてこの支援を振り返りたいと思う.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.