増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第4章 地域・在宅支援
1 手の外傷に対する外来作業療法と自主練習プログラム
櫻井 利康
1
,
高橋 祐司
1
,
富井 啓太
1
Toshiyasu Sakurai
1
,
Yuji Takahashi
1
,
Keita Tomii
1
1相澤病院
pp.868-873
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203074
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外来作業療法と自主練習プログラム
近年の橈骨遠位端骨折の治療において,在宅で行う自主練習プログラムの重要性が報告されており1,2),外来作業療法を行うよりも効果的とされている.つまり,在宅で行う自主練習プログラムの重要性は高く,外来作業療法だけではなく,自主練習を指導し定着させることは重要なことである.
しかし,理解力が低下している高齢者や疼痛への不安が強い患者は,自主練習を十分に行うことは難しい.また,骨折や術後の初期の疼痛は必然的であり,臨床場面で自主練習や生活動作の指導を十分に行ったとしても,疼痛が増悪すると,患者は心理的な不安が強くなり,自主練習プログラムを実施できないこともある.その場合,外来作業療法による自主練習プログラムを用いた指導は有効である3,4).外来作業療法を通じて疼痛や生活指導を含む自主練習プログラムを活用することで,患者は安心してリハに取り組むことができる.また,自主練習プログラムを活用し,適切な頻度の外来作業療法で従来以上の治療効果を発揮することができれば,患者は頻繁に通院しなくてもよくなり,そのぶんの交通費と医療費が削減できる.OTは最も効果的な外来作業療法を常に心がけ,患者の自発性を高められるように,心理的支持を通して治療を進めるべきである.
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