連載 作業療法を深める・第67回
作業療法を深める時間栄養学・時間運動学
柴田 重信
1
Shigenobu Shibata
1
1早稲田大学
pp.628-633
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203021
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はじめに
まず作業療法と体内時計の関連性があるか否かについて考えてみよう.作業療法とは,作業を通して患者さんが失った心身の機能と社会適応能力を回復させることである.ここでの作業とは,日常生活の中の動きの中にあるもので,料理,洗濯,掃除等,家事での動きそのものがリハ効果を生み出す.また,手芸,園芸,工芸等は,細かい作業や普通は使用しない筋肉等を使い,また脳機能を十分に使うことから,リハ効果は強く出るであろう.一方で,患者の心身機能の不具合は個人差が大きいので,患者の状態や目的に応じて適切な作業を選び,脳・精神状態も考慮しながら,リハを進めていく必要があろう.脳,臓器,骨格筋・骨にも体内時計機能が備わっていることから,作業療法と体内時計には関連性があるといえるだろう.したがって,体内時計の仕組みを理解し,その後,体内時計と食・栄養(時間栄養学)の関係や体内時計と運動(時間運動学)について知り,これらの学問が作業療法の実施にいかに役立てるかについて考えてみよう.また,時間栄養や時間運動に関する総説1〜5)や著書6)を挙げる.
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