増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第4章 支援技術Ⅲ 生活期:生活の広がりに向けて
15 脳卒中者(高齢者等要配慮者)の避難所生活支援
清水 兼悦
1
Kenetsu Shimizu
1
1札幌山の上病院 がんリウマチ神経難病リハビリテーションセンター
pp.975-978
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202649
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はじめに
昨今の日本において,災害は「忘れる前にやってくる」もの・こととなった.加えて,新型コロナウイルス禍のもと,ダブルインパクトともいえる複合災害への対応・対策が求められるようになった.一方,平時からの行政や関連団体等と避難所や仮設住宅等を想定した連携が不十分であり,避難所等では,脳卒中患者に限らず,高齢者等要配慮者への支援がうまく行われていない.
筆者は,日本作業療法士協会(以下,OT協会)の災害対策・レジリエンス担当1,2),レジリエンスジャパン推進協議会(以下,レジジャパ)のワーキンググループ委員3),日本災害リハビリテーション支援協会(Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team: JRAT)4)のレジリエンス担当,日本公衆衛生協会の地域保健総合推進事業委員等5)を歴任してきた.また,2018年(平成30年)9月の北海道胆振東部地震では,北海道のPT,OT,ST(以下,POS)の各士会で組織している北海道リハビリテーション専門職協会,北海道JRAT(DoRAT)の一員として,被災者の生活支援を行いたくともうまく行えなかった経験がある.今回は,これらの経験を基にリハ専門職に求められる避難所等での生活支援について記す.
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