Japanese
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特集 現場で役立つ福祉用具—自助具・発達障害領域を中心に
感覚の問題に対する道具による支援
Support for sensory processing disorders by using tools
東恩納 拓也
1
Takuya Higashionna
1
1みさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家
pp.40-45
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202369
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Key Questions
Q1:発達障害にみられる感覚特性とは?
Q2:感覚の問題に道具を使用する際のポイントは?
Q3:各感覚領域に有用な道具とは?
はじめに
発達障害のある子どもや成人の多くに特異的な感覚特性がみられることがある.また,その感覚特性によって生きづらさや不適応等,日常生活に何らかの影響を受けている方々が多く存在する.発達障害にみられやすい感覚の問題の一つに感覚処理障害が挙げられる1).感覚処理障害とは,中枢神経系の何らかの機能異常によって,感覚入力をうまく処理することや感覚情報の統合ができず,情動,行動,運動,学習等に問題が起こっている状態を指し1),発達障害のある人の中には,感覚刺激に対する過敏や低反応等の異常反応がみられることがある.発達障害当事者の自叙伝の中でも,感覚処理の困難や感覚刺激に対する不快体験,苦悩等が数多く報告されている2,3).感覚処理障害に対するアプローチには,感覚統合療法のように感覚処理障害そのものに働きかけるものと,環境調整に分けることができるが,本稿では,発達障害にみられやすい感覚特性に触れながら,環境調整の視点で,感覚刺激をコントロールし発達障害のある人の生活を改善するための道具について紹介する.
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