連載 認知症と仏教・第4回
身に染み込んだ物語
日髙 明
1,2
1NPO法人リライフむつみ庵
2相愛大学
pp.374-375
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202066
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多くの宗教は,仏や神,浄土や天国等といった“あちら側”と,私たちの生きる“こちら側”との両方を含んだコスモロジー(世界観)をもつ.それは肉体的な生死を超えた価値体系である.この価値体系において,人間の生きることと死ぬことが意味づけされる.
宗教のコスモロジーは,物語である.その物語にコミットしていない人にとって,仏や神,浄土や天国は,空想のものでしかない.しかし,物語を自分の物語として生きる人にとって,それらはリアルに存在する.
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