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特集 老年期(高齢者)と精神疾患
老年期(高齢者)と統合失調症—対象者の思いや希望を大切にし,意味のある作業に焦点を当てる
Old age(elderly)and schizophrenia: Value the clients' thoughts and hope and focus on meaningful occupation
南 庄一郎
1
Shouichiro Minami
1
1国立病院機構 やまと精神医療センター
pp.310-315
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202051
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Key Questions
Q1:近年の精神疾患および統合失調症の動向は?
Q2:老年期の統合失調症患者の病態とは?
Q3:老年期の統合失調症患者に対する作業療法のポイントは?
はじめに
国全体の高齢化の進行具合を示す言葉に,「高齢化社会」,「高齢社会」,「超高齢社会」という言葉がある.全人口に対して65歳以上の人口が7%を超えると「高齢化社会」,14%を超えると「高齢社会」,21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれる.高齢化率は発展途上国に比べて先進国のほうが高い傾向にあるが,高齢化率が高い先進国の中でも日本の高齢化率は最も高く,わが国は2007年(平成19年)に世界に先駆けて超高齢社会に突入した1).
こうした日本の高齢者問題は,精神疾患を有する人々にも当てはまる.本論は「老年期(高齢者)と統合失調症」というテーマにおいて,まずは老年期を迎えた統合失調症患者の病態に触れ,次に具体的な作業療法の実践について事例を交えながら述べていきたい.
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