Japanese
English
症例報告
医療観察法病棟における統合失調症の女性対象者へのかかわり—絵画という意味のある作業に着目して
Occupational therapy for a female client with schizophrenia in the forensic psychiatric ward in Japan: Focusing on the meaningful occupation of painting
南 庄一郎
1
Shoichiro Minami
1
1国立病院機構やまと精神医療センター
キーワード:
医療観察制度
,
司法精神科作業療法
,
意味のある作業
Keyword:
医療観察制度
,
司法精神科作業療法
,
意味のある作業
pp.1544-1548
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202820
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Abstract:医療観察法病棟において,殺人未遂事件を起こした統合失調症の女性対象者にかかわる機会を得た.本介入では,社会復帰に向けた治療に対する意欲が乏しかった対象者に,絵画という意味のある作業を導入したことが契機となって,対象者がその後の治療には自発的に参加するようになり,地域での単身生活の開始につなげることができた.対象者の意味のある作業に着目したかかわりは,対象者のストレングスに着目した支援であると考えられ,対象者の動機づけや自己効力感が高められ,強制医療である医療観察法病棟の入院対象者の主体的な治療への参加に寄与できると考えられた.また,OTが対象者の意味のある作業に着目し,その意味のある作業が対象者の健康的な生活につながることを意識した実践を重ねることは,医療観察法病棟における多職種チーム医療の中でOTの独自性と専門性を発揮するうえで重要である.
Copyright © 2021, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.