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特集 作業療法士による看取り
療養病床での看取りと作業療法士
Attending patients on their deathbeds at long term care wards
福田 卓民
1
Takumi Fukuda
1
1青梅慶友病院
pp.221-227
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202025
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Key Questions
Q1:療養病床での看取りとは?
Q2:実際の事例は?
Q3:療養病床での看取りにおける作業療法士の役割は?
はじめに
療養病床の主な対象は,慢性疾患があり,医療的な管理と日常生活の援助を必要とする高齢者である.療養病床自体は保険や体制等によっていくつかの種類に分かれ,その一部は介護医療院への転換が進みつつあるため,それぞれで対象者の様子は若干異なるが,平均入院期間は5〜16カ月程度で,死亡による退院は2〜4割と報告されている1).それらを踏まえると,療養病床には医療はもちろん,生活を続けるための介護,そして看取りまでを含めた幅広い対応が求められることになる.
療養病床での看取りとOTの関係についていえば,療養病床には医療・介護の専門職が揃っているため,看取りの場に直接OTが居合わせることは多くはない.したがって,OTがかかわる目的は,それまでの生活をいかに支えるかという点に絞られるものと思われる.
そこで本稿では,青梅慶友病院(以下,当院)での経験から療養病床での生活の特徴について述べたうえで,そこに勤める複数名のOTが担当した事例を紹介し,看取りに対するOTの役割やあり方について整理することとする.
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