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特集 作業療法士による看取り
よりよい看取りを支えるためのチームアプローチ—緩和ケア病棟の現場から
Team approach for supporting a better end-of-life care: on-site report from the palliative care unit
臂 美穂
1
Miho Hiji
1
1公立みつぎ総合病院
pp.214-220
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202023
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Key Questions
Q1:よりよい看取りに向けてOTは何ができるか?
Q2:エンゼルケア,デスカンファレンスの実際は?
Q3:チームアプローチの実践の中で,OTの専門性とは?
はじめに
緩和ケアを提供する形態の一つに,緩和ケア病棟がある.
厚生労働省は緩和ケア病棟を“主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者を入院させ,緩和ケアを行うとともに,外来や在宅への円滑な移行も支援する病棟であり,当該病棟に入院した緩和ケアを要する悪性腫瘍及び後天性免疫不全症候群の患者について算定する”1)と位置づけている.在宅への移行も支援する病棟,とあるが,対象患者は治癒困難で余命が限られ,多くは死を転帰とするため,「看取りのケア」も緩和ケア病棟の重要な役割の一つである.
ホスピス緩和ケアの理念は,日本ホスピス緩和ケア協会によって“ホスピス緩和ケアは,生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族のQOL(人生と生活の質)の改善を目的とし,様々な専門職とボランティアがチームとして提供するケアである”2)と定義されている.よって,ケアの対象は患者とその家族であり,看取りやグリーフケアにおいても,職種によってかかわる濃度に差はあるが,チームが一丸となって患者とその家族(遺族)のケアに当たることは当然のことであると,われわれは捉えている.
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