Japanese
English
症例報告
急性期より対象者の本来の能力を引き出す—81日間の入院を経てSCUから退院したくも膜下出血の1症例
Find the patient's true ability from the acute phase:A case of subarachnoid hemorrhage who was hospitalized 81 days and discharged from SCU
工藤 裕美
1
,
大堀 具視
2
,
中西 恵
Hiromi Kudo
1
,
Tomomi Ohori
2
,
Megumi Nakanishi
1手稲渓仁会病院
2日本医療大学
キーワード:
急性期
,
脳卒中
,
かかわり
Keyword:
急性期
,
脳卒中
,
かかわり
pp.1195-1198
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201490
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Abstract:脳卒中急性期は,多様な症状の出現により問題点が浮き彫りとなりやすく,対象者のもっている本来の能力を見いだすことが難しいと感じる.くも膜下出血発症後,現状に混乱した発言や行動が目立った患者を急性期より担当し,多くの問題点より直接退院することは困難と判断した.しかし,問題点だけを探り,本人が能力を発揮する環境を奪っているのはわれわれではないかと考え,能動的に動くことのできる環境づくりと周囲のかかわりを見直した.一つの「できる」は,次なる「できる」につながり,ご家族も含め,自宅退院という未来の予測が立つに至った.機能障害を探り,生活の中で何ができないかだけにとらわれることは活動制限を助長するに過ぎず,それは一歩間違うと,一つの「できない」に惑わされ,「できないであろう人」をつくり上げてしまう恐れがある.急性期より一つの「できる」を見つけ,動き出しは「できる」の現れであると信じてかかわることが重要である.
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