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Key Questions
Q1:ライフステージとは何か?
Q2:生活課題と就労支援の関係性とは?
Q3:ライフステージをイメージした支援とは?
はじめに
障害者が企業で就労すること,病気がありながらも復職をすること,障害福祉サービスでの就労をすること等,さまざまな就労支援の施策や取り組みによって,多様な働き方が推進されている.全国各地で支援者,企業側,行政が協働し実践され,障害のある人の新規求職申し込み件数,有効求職者数,就職件数も増加している.一方で,就職はできるものの,継続することができず,離職率の高さ,職場定着支援の課題も出てきており,2018年(平成30年)4月からは障害者総合支援法において,「就労定着支援」サービスが創設されることになる.これまで,雇用主,ジョブコーチ,就労移行支援のスタッフの負担が大きかった職場定着支援で,生活の細かい支援,多面的な支援を行い,就労定着支援を推進するものである.つまり,これからは「就職できる」ことだけではなく,「仕事をすること,仕事を続けることが,その人のライフステージおいて,どのような意味や価値をもつのか?」を一緒に考え,導き,継続する力が支援者に必要になっている.
筆者は2003年(平成15年)から地域生活支援センターゆずり葉で,栃木県県北地域で相談支援を行ってきた経験から,福祉の領域や就労支援のフィールドで「作業療法」がより活躍できる場面は多いと感じている.徐々に地域で活躍するOTを増えてきているが,これからの就労支援の領域では,「仕事をすること,仕事を続けることが,その人のライフステージにおいて,どのような意味や価値をもつのか?」を専門的に支援できる作業療法が,より中心的な役割を担うことになると考えている.本稿ではさまざまな作業を孕んでいる仕事をすることや,就労することをについて,各ライフステージの事例を通して整理し,多様な働き方とその人らしい暮らしについて考えていきたい.
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