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第11回作業療法ジャーナル研究助成・研究経過報告
石井 まなみ
1
1柳原リハビリテーション病院
pp.1048
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201067
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2016年度(平成28年度)は,「脳血管疾患患者の能力を引き出す作業療法カウンセリングの効果研究」のため,評価項目の選定および開発やインタビューガイドを作成した.精神心理面の変化を表現するために対象者の自己評価,思考の変容を客観的に評価することを目的に評価項目を検討した.今回採用した評価内容は,評価自体が介入(治療効果)となる可能性があるため,評価自体の介入効果の判定をも併せて行うものとした.
評価項目は,感覚機能,ADL,片麻痺機能検査,FIM(主観的,客観的),MMSE,高次脳観察評価,GSES(一般性自己効力感尺度),「患者カウンセリングシート」とした.実施により治療効果が期待される「患者カウンセリングシート」は,評価を通して対象者の自己評価と客観的評価との差異を抽出し,内的経験を言語化することでその差異を対象者自身が認識し,「気づき」を促す.これにより,自己認識の向上が期待され,作業療法実践の中で作業療法目標と対象者自身の自己認識の差異を減少させる効果が期待される.“自らの生活を工夫して自律を目指す自助患者”を支援するツールとした.
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