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特集 地域で役立つOTになるために—地域ケア会議編
地域ケア会議の概要
Summary of community care conference
宮永 敬市
1
Keiichi Miyanaga
1
1北九州市保健福祉局地域リハビリテーション推進課
pp.368-374
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200899
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Key Questions
Q1:地域ケア会議とは何か?
Q2:地域包括ケアにおける地域ケア会議の位置づけは?
Q3:ICFの実践と地域ケア会議の関係性は?
はじめに
わが国においては,高齢化の進展により支援が必要な高齢者や認知症高齢者の増加に加え,単身高齢者や高齢者夫婦のみの世帯の増加が見込まれる中,制度によるサービスのみでは対応できないさまざまな課題が顕在化してきている.
このような社会情勢の中,国は,高齢になっても住み慣れた地域でいきいきと自分らしい生活が継続できるよう,医療,介護,予防,生活支援,住まいを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を目指すこととしている.
地域包括ケアシステムは,制度によるサービス提供だけでなく,地域住民の参画をはじめ,その地域のさまざまな資源を活用した取り組みを進めること,いわゆる「地域づくり」を狙いとしている.しかしながら,各自治体によって高齢化率や地理的状況,社会資源等,その実情は異なることから,それぞれの実態に適した地域包括ケアシステムを考えていく必要がある.
また,「高齢になっても住み慣れた地域でいきいきと自分らしい生活が継続できる」という地域包括ケアシステムの目指す姿を描いていくためには,当事者を中心に各要素が同じ方向を向く(意識・目標の共有)ことが重要であり,これは当事者にかかわる関係者のチームワークによる支援を行う中で近づいてくるものと考えている.
本稿では,地域包括ケアシステムにおいてどのように個人あるいは地域を支えていくのか,その中で地域ケア会議の役割は何かについて,私見を述べたい.
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