増刊号 実践に役立つ! 生活行為向上マネジメント
第2章 疾患別実践例
9 —精神障害例1—対人技能改善と生活能力向上により,アパートで生活しながら就労支援施設に通いはじめた事例
大西 真澄美
1
,
長原 美穂
1
,
塩田 繁人
1
Masumi Ohnishi
1
,
Miho Nagahara
1
,
Shigehito Shiota
1
1石川県立高松病院
pp.846-850
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200660
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はじめに
2004年(平成16年)に「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的な方策が示され,2005年(平成17年)に「障害者自立支援法」が制定され,精神医療は,入院医療主体から地域生活中心へという転換が始まった.作業療法においても,集団プログラムから個別プログラムへ,個々の生活行為に焦点を当て,本人主体でのリハが展開され,対象者個々の地域移行支援・就労支援が取り組まれるようになってきた.
石川県立高松病院(以下,当院)は400床の単科の精神科病院であり,精神科救急病棟,急性期病棟や精神科デイケアを有し,救急病棟では早期から作業療法が開始される.そして作業療法が処方されたときから本人の望む生活目標を共有し,地域生活を念頭に置いて個別計画を立て,院内外の支援者と協働しながら目標達成に向けて取り組んでいる.その基盤として生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)があり,毎日の成功と失敗を繰り返し,精神障害者が望む生活を本人主体で取り組めるよう臨床実践しているところである.
今回,単身生活および就労を目標に取り組んできた事例の経過をまとめ,精神科デイケアでの実践報告としたい.
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