Japanese
English
症例報告
複数のスプリントにより三味線演奏へ復帰した外傷性の切断欠損手の1例
Multiple hand splints for a patient with traumatic finger defects returning to play the SHAMISEN:a case report
小澤 弘幸
1
,
田口 健介
1
,
湯川 充人
2
,
安保 雅博
3
Hiroyuki Ozawa
1
,
Kensuke Taguchi
1
,
Mitsuhito Yukawa
2
,
Masahiro Abo
3
1東京慈恵会医科大学附属病院
2東京慈恵会医科大学 整形外科学講座
3東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座
キーワード:
切断
,
スプリント
,
演奏
Keyword:
切断
,
スプリント
,
演奏
pp.293-296
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200522
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Abstract:外傷性の切断欠損手の症例に対し,段階的にスプリントを用いたことで三味線演奏が可能となったので報告する.【症例】 70代男性,右利き.50年来の三味線の演奏家.プレス機に右手指を挟まれ受傷し,右示指・中指・環指・小指切断となった.同日,再接着術を試みたが,血流の再灌流が得られず断端形成となった.【治療】 右環指・小指MP関節に自動運動を認めたが,著しい腫脹により屈曲制限を呈した.三味線演奏への復帰を望んでいたが,残存指のみでは困難であった.ばちの把持方法を考慮した際,スプリントによる把持の可能性があったため,残存指の伸展拘縮予防を目的としたスプリントを作製した.術後8週目に屈曲制限が改善したため,ばち把持用スプリントを作製した.【結果】 術後10週に三味線演奏が可能となった.【考察】 三味線演奏への復帰に向けて,術後早期から残存指の拘縮予防を目的とした治療とばち把持用スプリントの作製は有効であったと考えられる.
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