Japanese
English
プラクティカルノート
口腔咽喉音の音波形分析に基づく咳嗽ワイヤレスモニタリングシステム
Coughing Wireless Monitoring based on the concept of Sound Waveform Analysis of a Throat Microphone
辻村 肇
1,2
,
松村 雅史
2,3
Hajime Tsujimura
1,2
,
Masafumi Matsumura
2,3
1鳥取市医療看護専門学校
2大阪電気通信大学
3大阪電気通信大学大学院
キーワード:
咳嗽
,
口腔咽喉音
,
ワイヤレス計測
Keyword:
咳嗽
,
口腔咽喉音
,
ワイヤレス計測
pp.970-971
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200349
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はじめに
現在わが国は超高齢社会であり,2014年(平成26年)12月現在における65歳以上人口は3,317万人で,総人口の26.1%を占め,その割合は年々増加する傾向にある1).高齢者の家庭内での主な死因に「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」がある.高齢者は食塊を咽喉付近に残留することでむせることがあり,食塊が気道に入ると咳嗽反射がある顕性誤嚥となることもある.いずれの場合も高齢者は苦しみ,介助を必要とする.そのため,高齢者の咳嗽を検出することは介護職の現場から切望されている技術の一つである.
咳嗽音を検出する研究では,マイクロフォンで録音して解析するもの2),加速度センサを併用するもの3)があるが,データは録音後の後処理であり,咳嗽のモニタリングには不向きという問題がある.
そこでわれわれは,口腔咽喉音から咳嗽の特徴音波形を抽出し,その結果から逐次的に咳嗽の検出を行うシステムを構築した4).しかし,咽喉マイクロフォンからデータ収集システムまでが有線であり,システム本体を持ち歩く必要があるという課題があった.
そこで今回,咽喉マイクロフォンとデータ収集システムを一体化したネックバンド型ワイヤレス計測デバイスを作製した.そこから得られた口腔咽喉音情報をBluetoothによる無線通信で伝送し,タブレット端末で咳嗽判定処理を行い,介護者に知らせる高齢者見守りシステムについて紹介する.
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